五反田駅から徒歩5分、目黒川沿いにあるこの居酒屋は、外観や周囲の環境からは想像できないほどの隠れ家的な存在です。ホテル内に位置すると聞いていたため、初訪問時の印象とは異なりましたが、店内は明るく、こじんまりとした落ち着いた雰囲気で迎えてくれます。
特に平日の天気が今一つな日に訪れたためか、私たちのグループだけが客という静かな夜でした。このお店の特徴は、何と言っても江戸野菜をふんだんに使った料理の数々。野菜本来の味を生かしたメニューはどれも新鮮で、野菜が主役の料理を心ゆくまで楽しむことができます。
苺と菜の花の白和えや新玉ねぎのポン酢など、意外な組み合わせの料理もあり、そのどれもが美味しく、野菜の新たな魅力を発見できる体験でした。また、おでんは出汁が効いていながらも薄味で、自家製の練り物や適度に煮込まれたにんじんや大根が素晴らしい味わいでした。
名物のねぎの1本焼きは、見た目以上のボリュームで、豚肉が巻かれているサプライズもありました。店の雰囲気も良く、若いご主人やスタッフの一生懸命な様子が印象的でしたが、料理についての質問に即答できない点は少し残念でした。それでも、特定の食材を避ける必要がある私に対して、気持ちの良い対応をしてくれるなど、心温まるサービスが嬉しかったです。
美味しく、価格も適正でありながら、もう少し注目されても良いはずのお店。その魅力がまだまだ知られていないのは、もしかすると立地のせいかもしれません。これからも応援したい、心と体に優しい江戸野菜の料理を楽しめる素敵な居酒屋です。